リモートワーカーが集中できる作業環境の選び方
集中力は、意志の強さではなく環境のつくり方で決まります。
自宅で作業していると、気づけばソファでスマホを見てしまう。そんな集中力の悩みを抱えていませんか。原因の多くは、性格ではなく場所にあります。この記事では、環境を変える具体的な方法と選び方を紹介します。読み終える頃には、今日から試せる工夫が見つかるはずです。
自宅で集中しづらい理由
ベッドやソファが視界に入る環境では、頭が「休む場所」と「働く場所」を切り替えにくくなります。家族の生活音や、家事が目に入ることも、集中を途切れさせる原因になります。テレビやゲーム、冷蔵庫まで、すべてが手の届く範囲にあるのです。誘惑との距離が近いほど、集中を保つのは難しくなります。
例えば、朝は机に向かって仕事を始めたのに、視界に入ったベッドを見て「少しだけ横になろう」と思ってしまう。そんな経験がある人は多いはずです。少しのつもりが、気づけば1時間近く経っていた、ということもあるでしょう。これは、あなたの意志が弱いからではありません。
場所と行動が結びついてしまう
人の頭には、同じ場所で同じ行動を繰り返すと、その行動を自然に結びつけて覚えるという性質があります。ベッドで長く休んできた人にとって、ベッドは「休む場所」として強く記憶されています。
その場所で仕事をしようとしても、頭はなかなか「働くモード」に切り替わってくれません。仕事専用の場所を別に持てば、そこに座るだけで自然と集中モードに入りやすくなります。
家族がいる家では、話しかけられたり、テレビの音が聞こえたりします。自分では止められない、こうした音や動きが常にあります。一つひとつは小さなことでも、積み重なると集中を保つ力を少しずつ削っていきます。
在宅勤務を始めたばかりの頃は、自宅で仕事ができることを気楽に感じる人も多いはずです。それが数ヶ月、数年と続くうちに、家の中に「仕事のための場所」がないことがじわじわとしんどくなってくることがあります。
休みたいのに仕事のことが頭から離れない、逆に働きたいのになんとなく気が抜けてしまう。そんな感覚に心当たりがあれば、それは環境を見直すサインかもしれません。
環境を変える3つの選択肢
カフェは気分転換にはよいものの、長時間の作業や、声を出す作業には向いていません。コワーキングスペースは月額契約が多く、たまにしか使わない人には割高に感じることもあります。レンタルスペースは、使う日だけ、必要な時間だけ借りられます。オンライン会議が多い日だけ利用するといった、柔軟な使い方ができます。
月額が固定費になるコワーキングに対し、レンタルスペースは使った分だけの都度払いです。カフェは会話や音楽が気になることもありますが、貸し切りのレンタルスペースなら静かな環境を保てます。
実際にどれくらいの費用がかかるか
費用だけで比べると、使う頻度が少ない人ほどレンタルスペースが有利です。カフェは1杯500円前後で長時間過ごせますが、長居すると店員さんの目が気になってきます。コワーキングスペースは月1万〜3万円台が中心で、週1回しか使わない人には割高になりがちです。レンタルスペースは1時間数百円から使え、月に数回だけの利用ならコワーキングより負担を軽くできます。
こんな日はレンタルスペースが向いている
例えば、来週の火曜日だけオンライン会議が3件続けて入っている。そんな日はありませんか。そんな日だけ、静かな個室を借りるという使い方ができます。毎日使うわけではないけれど、ここぞという日にはしっかり集中したい。そんな人にとって、使った分だけ支払うレンタルスペースは相性のよい選択肢です。
集中できる環境の条件
- 視界に「休む場所」が入らないこと
- 周囲の音が気にならないこと
- Wi-Fiと電源が安定していること
- 長時間座っても疲れにくい椅子・机であること
集中力は、意志の強さではなく、環境のつくり方でつくるものである。
予約した時間には終わりがあります。その締め切りの感覚を利用すると、だらだら作業を防げます。通知が見えるだけで集中は途切れてしまうので、スマホをカバンにしまうだけでも効果があります。誰にも見られていない安心感から、猫背のまま長時間座り続けてしまいがちなので、1時間に一度は立ち上がる習慣をつけましょう。
机と椅子が集中力に与える影響
安い椅子に長時間座っていると、腰や肩がこわばってきて、気づけば仕事の内容よりも体の痛みのほうに気持ちが向いてしまいます。自分の体に合った椅子と、ちょうどよい高さの机がそろっているだけで、同じ作業でも疲れ方が大きく変わります。長時間の作業を予定している日は、椅子と机の使い心地もあわせて確認しておくとよいでしょう。
オンライン会議中に画面が固まってしまうと、それだけで話の流れが止まり、集中も途切れてしまいます。事前にWi-Fiの速度や電源の位置を確認しておくと、当日になって慌てずにすみます。特に大事な会議の前は、少し早めに入って接続を確かめておくと安心です。
作業の種類ごとの使い分け
資料作成やデータ入力など、ひとり作業は、静かで区切りを意識できる環境が向いています。オンライン会議や通話が多い日は、周囲に声が漏れず、家族にも気をつかわずに済む環境を選びましょう。
まとまった文章を書く作業は、視界に情報が多いと気が散りやすくなります。電話やオンライン商談が多い日は、声が漏れない環境が最優先です。数字の入力作業は、静かで単調な環境のほうが集中しやすい傾向があります。頭を使う作業は午前中に、連絡や調整ごとは午後にまわすと、限られた時間を効率よく使えます。
資料作成に集中したい日の過ごし方
企画書や報告書をまとめる日は、目に入る情報を減らすことが大切です。壁に向かって座れる席や、余計な掲示物が少ない部屋を選ぶと、考えごとがそれにくくなります。
人と話す用事が多い日は、声の大きさを気にしなくていい環境を優先しましょう。作業の内容によって場所の条件を変えるだけで、環境選びはぐっと楽になります。
1日の中でも、頭を使う時間帯と、あまり使わない時間帯があります。朝から昼過ぎまでは頭がよく働き、夕方に近づくにつれて集中力は落ちていく傾向があるでしょう。
難しい資料づくりは午前中の早い時間に済ませ、返信や連絡といった軽めの作業は夕方にまわすと、1日の疲れ方が変わります。自分がどの時間帯に集中しやすいか、1週間ほど記録してみると、合った時間の使い方が見えてきます。
続けるための工夫
ノートパソコンと充電器があれば十分な場所がほとんどです。モバイルバッテリーを1つ持っておくと、電源の位置を気にせず作業できます。ノイズキャンセリングイヤホンがあると、周囲の音を遮断でき、より深い集中に入りやすくなります。同じ環境で作業を続けると集中力が徐々に落ちてくることがあるので、場所を変えることで気持ちも新たに取り組めます。
毎日ではなく、集中したい日だけ使う人がほとんどです。メリハリをつけることが、長続きのコツです。利用頻度が増えてきたら、複数回パックや会員プランがあるスペースを探すと、コストを抑えられることがあります。
道具を増やしすぎないこと
実際に持ち歩くものは、ノートパソコンと充電器、イヤホンくらいで十分です。あれもこれもとそろえようとすると、かえって荷物が増えてしまいます。荷物が少ないほど身軽に動け、思い立った時にすぐ環境を変えられます。
道具を完璧にそろえてから始めようとすると、なかなか一歩を踏み出せません。まずは手持ちのもので試し、必要になったら少しずつ足していくくらいの気持ちで十分でしょう。
よくある質問
1人でも借りられる?
1人での利用を前提にしたスペースも多くあります。周囲を気にせず、自分のペースで作業に集中できるのが魅力です。まずは短時間から試してみましょう。
周りに人がいると逆に集中できないのですが
個室タイプや貸し切りのスペースを選べば、周囲の音を気にせず作業に集中できます。
飲食物は持ち込める?
多くのスペースで持ち込みが可能です。長時間作業する日は、軽食や飲み物を用意しておくと安心です。
印刷やスキャンはできる?
設備はスペースによって異なります。必要な場合は、事前に対応の有無を確認しておきましょう。
チームメンバーと一緒に借りることもできる?
複数人での利用に対応したスペースも多くあります。オフサイトの集中作業日として活用するチームも増えています。
予約はどれくらい前にすればいい?
平日の日中は直前でも空いていることが多いですが、朝や夕方の時間帯は埋まりやすい傾向があります。使いたい時間が決まったら、早めに予約しておくと安心です。
長時間借りると料金は安くなる?
スペースによっては、長時間の利用や複数回の利用で料金が下がるプランを用意していることがあります。よく使う場合は、事前に確認しておくとお得に使えることがあります。
まとめ
集中できないのは、自分の意志が弱いからではありません。環境が合っていないだけかもしれません。
自宅、カフェ、コワーキングスペース、レンタルスペース。どれか一つに決めなくてもかまいません。作業の内容や、その日の気分によって、いくつかの選択肢を使い分けていくくらいの気持ちで十分です。大事なのは、今の自分に合わない環境を、無理に我慢し続けないことです。
環境を変えるのに、特別な準備は必要ありません。今日はいつもと違う場所で、10分だけでもいいので作業をしてみてください。集中しやすい環境が見つかれば、それだけで仕事の進み方が変わってきます。
次に集中したい日は、いつもと違う場所を試してみてください。